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着陸システムの番人

 進入角度を伝える電波で着陸機を誘導する「グライドスロープアンテナ」(関西空港で)。関西空港の滑走路(3500メートル)に、次々と航空機が着陸する。電波で航空機を滑走路まで誘導する「計器着陸装置(ILS)」によって国内外の大型ジェット機から小型のプライベート機までが、同じ姿勢で滑走路のほぼ同じ地点に降りていく。

 「きれいに降りましたね」。国土交通省関西空港事務所の村上篤史・主幹航空管制技術官(45)と水野義久・主任航空管制技術官(41)が、ホッとした表情を浮かべた。

 「管技官(かんぎかん)」と呼ばれる2人のような技術者が、ILSなどの航空保安無線施設の保守管理を担う。


 ILSは、滑走路中心への進入方向を伝える水平方向の電波を発する「ローカライザー」(LLZ)と、進入角度を示す縦方向の電波を出す「グライドスロープ」(GS)、そして滑走路までの距離を段階的に知らせる装置「マーカービーコン」(MB)で構成されている。

 LLZは滑走路の両端に水平に設置されている。長さ約40メートルで24本のアンテナがあり、そこから滑走路の中心線を境に左右2種類の電波が出る。村上主幹は「コックピットでは、両方の電波を同じレベルで受信すると、中心線上にいることが分かるよう表示される。ずれると、どちらかの電波が強くなり、パイロットに修正を促す」と話す。

 GSは高さ約16メートル。滑走路の着陸地点近くにあり、進入角度3度を基準に2種類の電波を送る。LLZとGSの電波は「十」字の形で航空機に伝えられ、コックピット内の「ADI」(姿勢指示計)に表示される。パイロットは天候が悪くても左右、上下のずれがないよう操縦桿(かん)で調整し、安全に着陸できる。

 
 目に見えない「電波の滑り台」に乗っているようだ。が、電波の方向や角度が違えば、大事故につながる危険性もある。

 「だから各装置の点検には多くの時間が割かれている」と高松門年・先任航空管技官(58)は言う。

 黄色い車体のILS測定車で、関空の滑走路の周囲をぐるりと回った。LLZとGSの点検は、遠隔監視装置で動作状態を常時チェックしたり、定期的にILS測定車で電波方向に〈ずれ〉がないかどうかを見るなど、夜間を中心に行われる。LLZなら中心線から左右にそれぞれ7・5メートル以内、GSの角度なら2・78度から3・22度までなら誤差の範囲だ。


 離陸後から航空路に出るまでの航空機の便名、高度、速度などを表示する「ARTS(ターミナル・レーダー情報処理システム)」の保守点検も管技官の重要な仕事だ。関空では、このシステムがこの7月、1994年9月の開港以来初めて更新される。

 管制官の「目」の代わりがレーダーで、「口」の代わりが通信施設と言われている。こうした航空保安の生命線となるハードを支えているのが管技官だ。


採用への道険し
 航空管制技術官(管技官)になるのは容易ではない。通常は航空保安大学校で2年間基礎的な教育を受けた後、電波法で規定されている「第2級陸上無線技術士」以上の資格取得が必要。そして、半年以上の研修、実務経験を経た後に、管技官になるための受験資格が与えられる。合格すれば「航空交通管制技術業務技能証明書」が発給され、ようやく管技官になることができる。


(2007年05月21日  読売新聞)

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